「ウルトラマンダイナ」第38話、実相寺昭雄監督演出による「怪獣戯曲」は、独特の映像感覚が横溢した、一種の小宇宙ともいえる異次元の世界の物語でした。ここではその「映像の迷宮」に、再び踏み込んでみたいと思います。



  メディカルセンター
大森駅近くにある複合オフィスビル「大森ベルポート」で撮影されたシーン。縦横に巡らされた鉄骨の陰影と、それを映す床面の反射が不思議な空間を作り出している。コントラストの強い構成と、ワイドレンズの多用による「構図至上主義」のカットが連続する。

持ち物
メディカルセンターに収容された男の持ち物を記録したデジタルカメラ映像…の筈なのだが、何故かプライベートスナップの様な画像も多い。サブリミナル的にフィルム・リーダー部の画像が挿入され、観るものの感覚を錯乱させる…

 

 

室内
鳴海のアトリエでのカット。テレビ映像の限界に挑戦した様な、驚異のライティング。テレビ作品の、しかもスタジオ撮影にしてこの空間描写。演出的にも、二人が対峙するシーンでは、180度視点を入れ換えた対称的な構図を連続させて映像にリズム感を持たせる等、様々な「小技」が用いられている。

 

 

静物
実相寺映像の根源的イメージとも言える、ガラス、水、金属反射…ワンカット毎に非常に手をかけて撮られた映像が、無限の深層を成してゆく…

  合成
実相寺作品に於ける「永遠のパラドックス」、ウルトラマン。異質の存在たるウルトラマンを如何に自分の世界に同化させるか。今回もその挑戦は続く。ウルトラマンの湾曲映像を実景に合成したシュールなカット。
非常に美しい爆発カットの映像表現も今回の収穫の一つ。